2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧
古書にて購入(講談社現代新書)。新書ということで気軽に手にとったものの、この本はじつにわかりにくい。半分も理解できたかどうかおぼつかない。このわかりにくさの原因は、ひとえに著者の哲学的吃水が深すぎることにある。ほんの数行の記述のうちに、ゆ…
四冊目読了。これでいちおう全部読み終えたことになる。いままで、この小説は膨張するばかりでいっこうに進展しない、と書いてきたけれども、この四冊目にいたって、ついにその膨張がストップする。というよりも、ひとつの事件がきっかけになって、膨れに膨…
ストックホルム出身のフォン・オッターの歌うスウェーデン歌曲集(1995年録音、ドイツ・グラモフォン)。これだけである種の期待を抱かせるに十分だが、いっぽうではいかにもありがちな企画のつねとして、じつはたいしたことないんじゃないか、という気…
中古屋でみつけて購入。Strindberg in Music (1987, Sterling) Tor Aulin: Master Olof Suite Ture Rangstrom: Dithyramb Orebro Symphony Orchestra / Goran W Nilson *1アウリンもラングストレムもまったく知らない作曲家だ。しかし、ストリンドベリ愛好家…
三冊目読了。そろそろドストエフスキーの本領発揮の感がある。この前の感想で、この小説では中心になるものが故意に隠されているのではないか、というようなことを書いた。おおざっぱな流れからいって、その不在の中心はたぶん反政府的な秘密結社にかかわる…
二冊目読了。退屈な小説という印象はあいかわらずだ。ふつうの小説なら、物語は線的に展開するものだが、この本はそういう気配がいっこうになく、時間軸にそって展開するというよりは、空間軸のなかで徐々に膨らんでいくような感じがする。物語は膨らんでい…
正字正かなサイトをいくつか見て思つたこと。どのサイトも基本的な姿勢は共通してゐて、要するに正字正かなで書けるやうな環境をととのへよ、といふことらしい。それやさうだらう。いまのところ、正字正かなで文を発表できる場としては、ウェブくらいしか思…
四冊あるうちの一冊目を読んだ(米川正夫訳、岩波文庫)。しかし、この一冊だけでは、物語的な進展はほとんど感じられない。音楽でいえば前奏曲みたいなものだろう(やや長すぎるが)。二冊目以降、徐々に物語が動きだすのではないかと思う。そうでないと、…
中世音楽を聴く弊害というものがもしあるとすれば、それは近・現代の曲に対して感受性が鈍くなることだろう。こういうものになじんでしまうと、大バッハの曲すら、なにか色あせたものに聞こえてしまう。これは本末転倒もいいところで、中世音楽などは本来お…
ときどきウェブサイトで正字正かなを使っているひとを見かける。なかには掲示板やコメント欄にまで正字正かなを使っているひともいる。日本式の略字になじみきっている自分のような人間からすると、ちょっと頭がおかしいんじゃないか、と思ってしまうような…