2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

紙と鉛筆

comcさんがラテン語を再開されるというので、そのページにあった呉茂一の入門書のリンクをたどると、下のほうに「この商品を含む日記」というのがあって、だれかのラテン語学習日記があがっていた。こんなものがあったか、と思って見てみると、もうずいぶん…

ギッシング「南イタリア周遊記」

小池滋訳の岩波文庫(1994年)。ギッシングが晩年(といっても彼は46歳で死んでいる)、健康が衰えてからこころみたイタリア旅行の記録で、訪れた町は、パオラ、コゼンツァ、タラント、コトローネ、カタンツァーロ、スクィラーチェ、レッジョとなって…

ゲーテ「イタリア紀行」(下)

1787年6月、シチリアからローマに舞い戻ったゲーテは、翌年4月まで10ヶ月のあいだこの地に滞在する。この下巻はまるまるその第二次ローマ滞在の記述にあてられている。あいかわらずあちこち出歩いてはいるものの、これはもはや紀行というよりもむし…

ゲーテ「イタリア紀行」(中)

上巻(ローマ篇)とは打って変って、この中巻(ナポリ、シチリア篇)はじつにすばらしい。ローマでのゲーテはかつて書物などから得た教養というものに縛られていたようなところがあるが、ナポリへきてようやく彼本来の自然人としての資質を取り戻したかのよ…

ストリンドベリ「地獄、伝説」

ゲオルク・ミュラー版のストリンドベリ「地獄、伝説」がとどく。この本は1920年の刊行で、あのドイツ文字で書かれているのかと内心おっかなびっくりで発注したのだが、到着した本をみると、いまの文字とまったく変りなくてほっとした。戦前だからといっ…

平井呈一「真夜中の檻」

怪奇小説の翻訳で有名な平井呈一の小説とエッセイとを集めた文集(創元推理文庫、2000年)。エッセイのほうはまあこんなもんかという感じ。どうもこの人の怪談エッセイは安っぽくてつまらない。これはたぶん、平井呈一の読んでいるのがそこらにざらに転…