2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

マキアヴェッリ「君主論」

いま勤めている会社がつぶれそうなので、ふと思いついて手にとってみた(黒田正利訳、岩波文庫)。やはり思ったとおり、この本は会社の経営にも応用できる。そういう読み方が邪道であることは承知しているつもりだが、いまの私にはそんなふうにしか読めない…

死刑廃止とその代案

凶悪事件を起こした少年が死刑になるとかなったとか報じられていて、まあ私にはどうでもいいことなんですが、この死刑という制度にだけは昔から疑問を抱いていました。いったい死刑はだれのためにあるのでしょうか。国家のためか、社会のためか、加害者のた…

萩尾望都「トーマの心臓」

彼女の「ヴィオリータ」を読もうと思って探したら、「トーマの心臓」所収となっていたのでこれを中古で購入。で、先にこれだけ読んだ(小学館、1978年)。少女マンガにあまり慣れていないせいかもしれないが、このマンガ、とてつもなく読みにくい。何度…

筐と筺

http://d.hatena.ne.jp/comc/20080411/1207909587comcさんがどういうことを問題にされていたのかわからないが、とりあえずこの字について調べてみると、「筺」の字は「諸橋漢和」(収録字数の多いことをもって鳴る辞書)には出ていない。あと、手持ちの漢和…

追悼、石井桃子

石井桃子さんが百一歳で亡くなったとのこと。失礼ながら、まだご存命だったとは知らなかった。去年、雑誌「ユリイカ」で特集されていたので、なにかあったのかな、と思っていたが、百歳のアニヴァーサリーだったことにいまごろ気づいた。この雑誌は本屋でち…

エロスとアガペ

エロスとアガペとは対比的に用いられることが多く、前者が上昇的、所与的、肉体的な愛であるとすれば、後者は下降的、能与的、精神的な愛であるとされている。しかし私は、両者を分かつ根本的な要因は、「個に対する愛か、類に対する愛か」ではないかと思う…