「ストリンドベリ・イン・ミュージック」

sbiaco2006-09-17



中古屋でみつけて購入。

Strindberg in Music (1987, Sterling)
Tor Aulin: Master Olof Suite
Ture Rangstrom: Dithyramb
Orebro Symphony Orchestra / Goran W Nilson *1

アウリンもラングストレムもまったく知らない作曲家だ。しかし、ストリンドベリ愛好家としては、題名だけで買う価値があるのではないか。値札をみると、たったの300円。昼飯代より安い。内容がつまらなくても、この値段なら文句はないだろう。

さて、じっさいに聴いてみると、これがなかなかいい。一曲目の「マイステル・オーロフ組曲」は、グリーグの「ペール・ギュント組曲」によく似ている。ストリンドベリの「マイステル・オーロフ」は史劇、イプセンの「ペール・ギュント」は民話劇で、それぞれ性格は違うが、これが音楽になると、そういった差異よりも、北欧ものという共通点のほうが強調されるようだ。アウリンの音楽にはときおりフランス印象派の影がさす。

しかし、それよりもすごいと思ったのが二曲目の「ディテュランボス」。20分にみたない交響詩だが、音楽の作りに非凡な才能を感じる。曲のもつ潜在的エネルギーとか、瞬発力だけとってみれば、グリーグを凌駕するのではないかと思うほどだ。ラングストレムは歌曲もたくさん書いていて、そのうちのいくつかはフォン・オッターのCDで聴くことができる。これは前からちょっと気になっていたCDなので、この機会に聴いてみることにしよう。

*1:変音記号はすべて省略