2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

かつて見た映画の

DVDをまたしても買ってしまった(中古でだが)。この日記でも初めのほうに書いた*1ワレリアン・ボロヴズィックの「邪淫の館・獣人」がそれ。こうやって題名を記すだけでも指先がふるえ、ジャケットを眺めているだけでも胸がどきどきしてくる。まちがいな…

音楽現象学

クラシック百選が人気のエントリーにあがっているが、こういうものまでネタ扱いされるのがはてなのおそろしいところだ。しかし、その意図はどうあれ、こういった「○○百選」はおおむね実際の役にはたたない。というのも、こういう総花的なセレクションはひと…

フェラーラ・アンサンブル「美徳の華」

中世音楽のCDも10枚を超えたが、じっさいのところ「これはすごい」と思ったのはそんなに多くない。そんななかで1枚だけあげるとすれば、ウエルガス・アンサンブルの「フェビュスよ、すすめ」(ソニー・クラシカル)になるだろうか。これは演奏、選曲と…

ブルクハルト「イタリア・ルネサンスの文化」下巻

前に上巻だけ読んで放置していたもの(柴田治三郎訳、中公文庫)。ゲーテの影響で最近ちょっとイタリアづいているので、とりあえず下巻も読んでおこうと思って手にとった。いまさらわたくしごときがあれこれいう必要もない古典だが、この本、最近のルネサン…

ブクステフーデ「オルガン曲全集」

ブクステフーデといえば、バッハ伝のたぐいには必ず出てくる名前だが、恥ずかしながらいままで聴いたことがなかった。今回(といってもだいぶ前だが)Scarboさんの紹介があったので、それを購入してみた(BUXTEHUDE: Complete Organ Music, Walter Kraft, Vo…

ロバート・オルドリッチ「何がジェーンに起ったか?」

1962年製作のアメリカ映画。楳図かずお氏の「おろち」(姉妹)に霊感をあたえたというので気になっていたもの。しかし、じっさいに見てみると、両者はあまり似ていない。似ているのは、姉妹の愛憎を描いていることと、被害者だと思われていたほうがじつ…

宇能鴻一郎「味な旅 舌の旅」

私の好きな宇能氏の旅行エッセイ集(中公文庫、1980年)。もともと1968年に日本交通公社から出た本を文庫化したものらしい。日本全国、北から南まで縦断して、各地のうまいものを文字通り食い倒した記録である。私は食べ物エッセイはわりと苦手なほ…