2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「吸血鬼ノスフェラトゥ」

WHDジャパンの廉価DVDの二枚目(ムルナウ監督、1922年、ドイツ)。これも以前ビデオで見たものだが、「ゴーレム」よりはよく覚えていた。今回ちょっと意外だったのは、ノスフェラトゥよりも召使(?)のレンフィールドの存在感のほうが上回ってい…

「巨人ゴーレム」

パウル・ヴェゲナー監督のサイレント映画(1920年、WHDジャパン)。これは前に一度ビデオで見たことがあるけれども、アマゾンで500円で売っていたので思わず買ってしまった。同時に購入したのは「カリガリ博士」と「吸血鬼ノスフェラトゥ」。50…

バルトーク「弦楽四重奏曲1番〜6番」

バルトークは音楽史上、バッハと並んで、いやある意味ではバッハ以上に「無敵の人」なのではないか。彼に対して発せられる批判の矢も、その多くは的をはずれるか、まれにあたってもことごとくはね返されてしまう。どんな辛辣な評言も、彼にあっては賛辞に変…

クライスト「ペンテジレーア」

ちょっと間があいてしまったが、クライストのつづき(吹田順助訳、岩波文庫)。これはたぶんクライストの作品のなかでもとびきりの異色作だろう。百年後のマゾッホが書いたといっても通用するような残酷劇。舞台はトロヤ近郊の荒野で、ギリシャ軍がトロヤ人…

ルッツ・キルヒホーフ「魔女と錬金術師のためのリュート音楽」

ソニー・クラシカルの古楽部門(?)VIVARTEの1枚(2000年)。おもにバロック期のリュート音楽、それも舞曲を中心にあつめたもので、作曲者はアントニー・ホルボーン、ヨハン・ダニエル・ミリウス、ニコラ・ヴァレ、マテウス・ライマン、アタナシウス・…

カール・ドライヤー「ヴァンパイア」

久しぶりに近所のDVDレンタル店をのぞくと、品揃えがずいぶん変っていて驚いた。どうやらビデオはほぼ一掃されたようで、その空いたスペースにクラシック映画をだいぶつめこんだみたいだ。きょうはとりあえずカール・ドライヤーの「ヴァンパイア(吸血鬼…

「アルス・ノヴァの世紀」

去年、感想を書けなかったもう1枚がこれ。"LE SIECLE DE L'ARS NOVA" (HARMONIA MUNDI, CENTURY 6)前回、中世音楽に精神性はない、と書いたが、これはもちろん世俗音楽に関してのみいえることで、宗教音楽にはあてはまらない。精神性は霊性ともいわれ、ほん…

アッラ・フランチェスカ「愛の忠臣」

一年前からうすうす予感はしていたが、やはりモーツァルトをろくろく聴かないうちに2006年は終ってしまった。残念な気もするけれど、いっぽうでモーツァルトの呪縛から解放されたようなすがすがしさも感じる。だいたい、メモリアル・イヤーなんていうも…

ドイツ語のこと

森鴎外はたぶん本格的にドイツ語を学んだ最初の日本人のひとりだろう。彼はドイツ留学もしているし、かの地ではドイツ娘を誘惑(?)したりもしているから、そのドイツ語の発音はかなりしっかりしたものだったと思われる。とはいうものの、ドイツ語のカタカ…