2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

中島義道「働くことがイヤな人のための本」

パソコン関連の書類をひっくり返していたら転がり出てきたのがこの本(平成16年、新潮文庫)。以前人に借りたまま、こんなところにまぎれこんでいたのだ。ざっと読んでみたが、どうも要領を得ない本というしかない。著者の履歴や、彼の主宰する「無用塾」…

新井白石「西洋紀聞」

キリシタン文学の一変種。宝永5年(1708年)に最後の潜入者として日本にやってきた宣教師ジュアン・シドチ(ヨワン・シロウテ)の談話を新井白石がまとめたもの。当時のヨーロッパ事情の紹介として、画期的な意義をもつものとされているようだが、出版…

H.C.アルトマン「サセックスのフランケンシュタイン」

変形アリス譚とのことで興味をもって買ってみたが、長篇ではなくて短篇集だった(種村季弘訳、河出書房新社、1972年)。この本を読みながら思ったのは、なんだか星新一に似ているな、ということ。雰囲気的にはメタフィジック時代のキリコに近いかもしれ…

柳瀬尚紀訳「不思議の国のアリス」

ネットでアリスの訳本を検索していたら、この柳瀬訳に「漢字がいっぱい」との評があったので、覗いてみることにしました(ちくま文庫、1987年)。漢字で漢゛字搦め*1なんていかにも柳瀬氏らしいではないか、と思ったので。全体的によくできていると思い…

チェチーリア・バルトリ「イタリア古典歌曲集」

DHMのボックスセットを聴いていて思うのは、声楽ではやはりイタリア、スペインものがいいなあ、ということ。こういった曲ではまた歌手に逸材を揃えているんですよね。ところで、声楽学習者の教材として「イタリア古典歌曲集」というのがあります。私はこ…

ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」

なんとか原文で読みきったけれども、自分の英語力のなさにはわれながら呆れ果てる。今回はいちおう精読のつもりで、知らない単語、うろおぼえの単語はぜんぶ辞書を引いて調べてみた。その結果、そのほとんどがアステリスク付き、つまり基本単語であることが…

「カラマーゾフ」を私が翻訳するなら

はてなダイアリーでkinoshitakazuoさんがものすごく詳細な亀山批判をしている。その是非は自分などには判断がつかないが、しかし「カラマーゾフの兄弟」ならば、時間があれば自分にも翻訳できそうな気がする。いや、気がするだけじゃなくて、確実にできる自…