2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ユベール・ジュアン「フェルナン・クノップフとその時代の文学」

この前読んだプラーツの「ムネモシュネ」と同じようなテーマを扱った論稿。1980年にブリュッセルで行われたクノップフの回顧展の際の講演記録らしい。そういうものだから、突っ込んだ議論を期待しても仕方ないが、しかし薄っぺらいなりに私には教えられ…

「フェリーニのローマ」

この前アマゾンで「サテリコン」を買ったら、さっそくメールで「おすすめ」がきた。やはり1000円を切る廉価版なので遅疑なく購入、鑑賞。ここに描かれたローマはまさに現代のバビロンである。「大いなるバビロンは倒れたり」──しかしローマは倒れても何…

「時よとまれ、君は美しい〜ミュンヘンの17日」

原題は Visions of Eight(八人の映像)。これのサウンドトラックが気に入っていたので、映画も見ることにした。DVDのパッケージに「肉眼では捉えられない映像」とあるとおり、カメラの記録性をフルに生かしたドキュメンタリー。しかしそんなことよりも、こ…

フェリーニ「サテリコン」

なんとなく成行きでDVDを買ってしまう。千円を切るとはずいぶん安い。これは大昔に一度見たことがあるが、今回あらためて見直してみて、思っていた以上に病んだ映画であることに驚いた。フェリーニの病的な想像力がマックスに達したときの映画だと思われる。…

バッハ「オルゲルビュヒライン」

中学のころから気がかりだったのをいまごろ聴く(ヴァルヒャ「オルガン全集」、モノラル録音)。全体的にわるくはないが、一曲目がよすぎてあとの曲がかすんでしまう。あとの曲といっても44曲もあるので、ほとんど全部がかすんでいるようなものだが……一曲…