2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

マラルメのソネット

私の中でずっとくすぶっていて、いまだ解決していない問題に、「マラルメはほんとうに偉いのか?問題」というのがある。いや、たしかに偉いんだろうけど、そんなに特権化、神格化されるほど偉いのかな、とずっと疑問に思っているのです。日本で出た全集だっ…

トレンブリの「モネル」論

もう長いことほったらかしにしている「モネルの書とその周辺」だが、じつはこのブログのためにペーター・クルンメという人が書いた論文(独訳「モネルの書」の解説)を訳していて、あらかた訳し終ったときにパソコンの不具合で他のデータもろとも飛ばしてし…

肉体について

ウェブを見ていたらトリストラム・シャンディに関するすばらしいサイトが見つかった。こういうのを見ていると、いまさら私がレジュメなんか作っても仕方ないんじゃないか、と思う。まあだれのためでもなく、自分のためにレジュメは作るつもりですけどね…… 電…

ロレンス・スターン「トリストラム・シャンディ」

奇書といえば何番目かに必ず名前の出てくる本(朱牟田夏雄訳、岩波文庫)。それにしてもこれはとんでもない本だ。序盤が終ってようやく佳境に入りはじめた、まさにその部分で話が中断している。ただ、未完のくせにあまり未完らしくないのは、もし作者がこの…

ふたつの「月の光」

大昔の話。たまたまつけたラジオで「名詩名曲」というのをやっていたので聴いてみた。解説は粟津則雄さん。私はこの番組でフランス歌曲にはじめて触れたのだが、そこで紹介されたふたつの「月の光」、すなわちフォーレのものとドビュッシーのものとの聴き比…