2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

日夏耿之介「風雪の中の対話」

ゴスィック・ローマン詩体で有名な(?)著者の雑文集(1992年、中公文庫。原本は1955年刊行)。短い対話篇を集めたもので、暑いさなかに漫然と読むには適した本。これを読んでいると、なんとなく晩年の永井荷風の顔*1が思い浮んでくる。そして、精…

アイスキュロス「テーバイ攻めの七将」

これはすごい。全篇ほとんどシンメトリーだけで成り立っているような戯曲(高津春繁訳、岩波文庫)。テーバイ攻めの七将がいればテーバイ守りの七将がいる。おのおのは七つの門で一騎打ちの勝負を挑む。この七つの門はおそらく同心円状になった七つの城壁に…

ブロゴスフィア演戯

「久しぶりにアクセス状況を見てみたが、あんまり変化はないようだな。だいたい10人前後が見にきてくれているようだね」 「しかしきみは三年もやってるんだろ。それで10人とはちょっと寂しいな」 「たしかにね。でもまあこれで堂々と過疎ブログを名乗れ…

ファッショについて

最近では禁煙ファシズムなんていう言葉もできているようだが、このファシズムの意味が昔からよくわからなかった。ファシズムとはべつにファッショという言葉もある。これはそもそもどういう意味合いの言葉だろうか。子供のころ、家の向かいに住んでいた小父…

バッハ「無伴奏チェロ組曲」

DHM50枚組のうちの2枚(演奏はヒデミ・スズキ)。この曲集、断片的にはこれまでもちょくちょく耳にしていたが、まとめて聴くのは今回がはじめてだ。で、はじめて聴いた感想だが、「とりつく島もない」というのが正直なところ。なんだろうね、この手応…

精神の至福は肉体からくる

先週末からずっと目の調子がわるくて、本もPCも満足に見られなかった。こうなると、いかにふだんから視覚に依存した生活を送っているかがよくわかる。仕方がないから部屋の整理をやっていた。今回はとくに念入りに、机のなかまで引っかきまわした。例によ…