mousme(ムスメ)について


yskszkさんがおもしろい記事を書いている。そこに出ているプルーストのmousme評を見ると、フランス人の日本理解もいいかげんなものだな、と思う。口をとがらせているというのは、moueからの連想だろうか。それはいいとしても、「皺くちゃになるほどの笑顔」というのはどうか。「むすめ」という語感からはかなり遠いような気がするが。

いいかげんついでに、ユイスマンスが日本の娘について書いた散文詩(?)を下に訳してみた。出所は「薬味箱」(Le drageoir aux epices, 1874)。

なお、「かわいい」をあらわすフランス語には、mignard(e)とかmignon(ne)とかがある。といっても、これも日本の女の子たちが「かわいい!」というのとはだいぶニュアンスが違うのかもしれない。

もうひとつ、いつか使ってみたいと思っている表現に、「十四、五娘の薄々と」というのがある。使用例。「そんなことも知らなかったのか」「いや、知ってたよ、十四、五娘の薄々とだがね」etc.


(付記、2009/3/8)
「かわいい」をあらわすフランス語にはchouというのがあるらしい。英語ではcuteがこれにあたるのだろう。どっちも日本語の「かわいい」とはニュアンスが違う、といわれればそれまでだが……使われているシチュエーションをみるかぎり、かなり近いものがあるように思う。