「時よとまれ、君は美しい〜ミュンヘンの17日」


原題は Visions of Eight(八人の映像)。これのサウンドトラックが気に入っていたので、映画も見ることにした。

DVDのパッケージに「肉眼では捉えられない映像」とあるとおり、カメラの記録性をフルに生かしたドキュメンタリー。しかしそんなことよりも、この17日間をひとつの祝祭として捉え、その高揚感とともに寂寥感(祭はいつか終るものだから)をも描き出しているところがすばらしい。あのころのことを知っている人も知らない人も、これを見ればノスタルジーを刺戟されて胸が痛くなるだろう。ここにはまさにヒューマニティ*1の讃歌がある。

それにしても、もしヘンリー・マンシーニの音楽がなかったら、ここまでヴィヴィッドな映画になっていただろうか。結果論かもしれないが、彼の音楽はこの映画に絶妙な効果を与えていると思う。

この映画のハイライト、「美しき群像」がyoutubeにあがっているので紹介しておく。

*1:これを人間性と訳しては台無しである。ヒューマニティはいまだに日本には根づいていない概念のひとつだ