ドイツ・ハルモニア・ムンディの50年

sbiaco2008-06-14



Scarboさんの記事(たとえばこれ)を読んで気になっていたのを購入。

50枚組のボックスセットを自分が買うときがくるとは思わなかった。こういうのは金持ちだけが買えばいいのであって、どうせボックスセットなんぞは本の積読といっしょで、「ただもってるだけ」で聴くことはあるまい、とも。

しかし、まあ買っちゃったわけですよ。理由はふたつあって、DHMというレーベルを信用していること、それとやはり「安い」というのは大きい。1枚100円そこそこですからね。

届いたものをみると、まさにアーカイヴという感じ。薄っぺらい紙ジャケット(?)にCDが1枚づつ裸で放りこまれている。

ハルモニア・ムンディではべつに「センチュリー」というシリーズがあって*1、こちらは扱っている時代が二十世紀にもわたるので、収録されている演奏は抜粋ばかり。それにくらべて今回買ったものは、どうもオリジナルのCDをそのままボックスセットに流用したみたいで、個々の曲は一曲まるまる収録されていて、まことにバロック期の音楽の集大成の観がある*2

とりあえず1枚目の「アストルガ、ペルゴレージ、ドゥランテ」を聴いてみる。収録されているのは「スターバト・マーテル」系の曲。

このあたりの曲はとりわけ日本人には親しみやすく、わかりやすいといえる。宗教的な背景はべつにして、曲そのものとして直覚的に理解できそうな気がする。それはバロック音楽全体についてもいえそうだ。どのくらいわかりやすいかというと、ほとんど聴かなくてもわかるくらい、といえば語弊があるだろうか。しかし少なくともそれが出発点であることはまちがいない。

この水平的な理解に、いかにして垂直的な理解を交差させて、バロック音楽を立体的なものとして捉えるか。今回買ったボックスセットはそういう「お勉強」的なことにも役立つと思う。

とにかく、せっかく買ったかぎりは「積ディスク」ではもったいないので、ぜんぶ聴き通すつもりでおります。50枚といえばけっこうなヴォリュームですが、バロック文学の選集50巻を読破することにくらべれば易々たる作業でありましょう。

*1:これはハルモニア・ムンディ・フランスが出している。ドイツとフランスとどう違うか? このあたりの詳細は不明

*2:厳密にいえばバロック音楽ばかりではないが、まあおおざっぱにいって