学校からパソコンを一掃せよ


奔馬酔淮南」*1で検索していると、こんなページに連れ出された。自慰行為といってもどういうことをしていたのか不明なのでなんともいえないが、小学生なのでまさか射精には至っていないと思われる。

この記事を読んでおかしくてたまらないのは、回答が判で押したように紋切型なことだ。前提にされているのは古い古い「性の解放」の思想。回答者は「幼児の性も老人の性も大らかに認められるべき」だという。この「大らかに」がすばらしい。いったいなにをもって「大らかに」といっているのか。

「「性」は「心」を表す立心偏に「生」と書きます。人間が生まれながらに持つ大切な心身の働きです」もめちゃくちゃな話で、漢字の「性」にはもともとセックスの意味なんかまったくない。いま使われている「性」は、ようやく明治になってからsexの訳語として仮借されたものにすぎない。

「夢中になれるものやスポーツを勧めるのもよいでしょう」。もしかしてこのアドバイス、この五十歳台の質問者も子供のころなにかで読んだのではないだろうか。

と、つつきだせば切りがないが、それでも「過剰な性描写が氾濫(はんらん)して」というくだりには全面的に賛成せざるをえない。いうまでもなくネットに氾濫しているエロサイトのことだ。これは私も教育上非常によろしくないと考える。自分が子供のころにこんなものがなくてほんとによかったと思う。

なぜこういうサイトが教育上よくないか。端的にいえば、それが子供のリビドーの発育のうえで非常な障害になるからだ。リビドーとは簡単にいえば性的エネルギーの個人的な体系のことで、これが健全に(?)発達するためには、「妄想」が意識の底にふかく根を張っていなければならない。少年期とはまさしく性的妄想をふくらませる時期なのだ。この時期に直截的かつ即物的な情報を与えると、妄想が妄想でなくなってしまう。そうすると、妄想の根は浅いままとどまることになり、その上に育つべき樹もひねこびたものにならざるをえない*2

ネットの暗黒面はいろいろあるけれども、これほどおそろしい側面が野放しにされているのは重大な問題だと思う。大人がみる児童ポルノの害どころではない。下手をすると、日本じゅうの青少年が腑抜けになってしまうおそれがあるのだ。私がユートピア国の王様だったら、小中学生にはいっさいパソコンを使わせず、これを彼らの手の届かないところに追いやるだろう。学校で子供にパソコンで学習させるなんて、いまの教育者はなにを考えているのか。

*1:狂詩の一句。ほんまがえいわいな、と読む

*2:この段の記述、ほぼ男子限定。女子のことはわからぬ