理性の眠りは怪物を生む


finalventさんのwktk読んだ?」
wktkっていうなよ、気持わるい」
「あれを読むと、いかに氏が品行方正な人かっていうのがよくわかる。とにかく好感のもてる人だな」
「うん、おれたちのまわりはAさんみたいなやつばっかりだからね。そういう連中とつきあってると、感覚が麻痺してきて、もう性道徳みたいなものは前世紀の遺物にしかみえなくなってくる」
「で、finalvent氏はAさんをえらくもちあげているけど、そんなたいしたもんかな?」
「Aさんがたいしたものなら、おれの職場の人間はみんなたいしたもんさ。まあ、そういうことにかけては知性なんてものはなんの役にもたたないね」
「知性ではダメか。じゃ痴性かな、必要なのは」
「うん、痴性だろう、モテる男にはこれが絶対に必要なんだ。痴性のないやつは、どんなに知性があっても、肉体的に卓越していても、ファッションセンスがよくても、モテるようにはけっしてならない」
「どうしてそうなるのかな」
「さあ、どうしてかな。ああ、ここにちょうどいい文章がある。ちょっと読んでみようか」
「どうぞ」
「女というものは、その本性上、落ちついた幸せといった堅実なものを与えてくれる男には完全にはなびかないものだ。女は冒険を好み、新しいものに熱狂し、珍しいものやありえないようなものに飛びつく。その結果、女は怪物を愛するようになるのだ。光の使者か、闇の住人か、そんなことはどうでもいい、とにかくそいつが怪物でありさえすれば*1
「ふーむ、なるほど。で、痴性は怪物の属性というわけか」
「たぶんね。といっても、怪物にもいろいろあるから(笑)」
「おれなんかはモテる男になるよりも怪物になるほうがずっとむつかしい気がする」
「そうだね。いまさらモテる男になったって仕方がない。おたがい、怪物になるように努力しようよ」
「そのためにはまず痴性をみがかないとね」
「その前にまず知性を振り捨てることだね」

*1:ジュール・ボワ「神秘と官能」より