訳詩についての雑感の補足


http://d.hatena.ne.jp/inmymemory/20080103

inmymemoryさんが私の前の記事(訳詩についての雑文)にトラックバックを送ってくださった。で、ここでなにかひとこと書くべきかと思うが、訳詩についてはもうあまり書くことがない。少なくともいますぐは思いつかない。

まああの文全体が雑談みたいなもので、ちゃんと論として成立していないから、つっこみどころは多いと思われるが、ひとつだけ誤解されそうなところを補足しておきます。

「真正の詩人に贋の言葉を語らせてはならない」というのは、けっしてそういった詩人の邦訳をいっさい認めない、ということではありません。もってまわった言い回しや誇張された字句、古語辞典でもひかないとわからないような難語でうわべを飾り立てて、真のポエジーを閑却するのは原詩に対する冒涜だ、といいたいだけなのです。

悪例としては日夏訳のアナベル・リーをあげておけばじゅうぶんかと。

これについては前に一度書いたので(ポオの訳詩について)、よければそちらも参照してください。