リストマニア──少女愛文学


私が小説をせっせと読んでいたのはもう20年も前の話だ。そのころは巷に出回っていたいろんなリストを参考にしたものだが、そのうち手控えのあるものをここに写しておこう。今回のは「少女愛文学」*1。資料が古いのが難点だが、まるきり役にたたないわけでもないだろう。好事家(?)の目にとまることを期待している。

萩尾望都ヴィオリータ」
ウラジミール・ナボコフ「ロリータ」
ルイス・キャロル不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス
H.C.アルトマン「サセックスフランケンシュタイン
ロバート・ネイサンジェニーの肖像」「夏は遠くすぎて」
モンゴメリーのアン・シリーズ
K.D.ウィギン「少女レベッカ
E.ネスビット「砂の妖精」
オルコット「若草物語
ガーネット「小公女」
E.ポーター「少女パレアナ
ウェブスター「あしながおじさん
ディディエ・ドゥコワン「眠れローランス」
マイクル・ヘイスティングス妖精たちの森
ジャン・コクトー恐るべき子供たち
「小さな悪の華」(映画)
ハン・B・アールバース「小さな恋の物語」
川端康成「雪国」「伊豆の踊子
田宮虎彦「小さな赤い花」
マルティン・ベック・シリーズ「バルコニーの男」
モーリス・プロクター「ペニクロス村殺人事件」
トム・デミジョン「黒いアリス」
イヴァン・T・ロス「女子高校生への鎮魂曲
シリア・フレムリンのコント
ジョン・ソール「暗い森の少女」
ブライアン・オールディス「手で育てられた少年」
ジョゼフ・エルダー編「ラブメイカー」
R.F.ヤング「たんぽぽ娘
ロバート・シルヴァーバーグ「夜の翼」「いばらの旅路」
クリス・ネヴィル「ベティアンよ帰れ」
トム・ゴドウィン「冷たい方程式」
光瀬龍百億の昼と千億の夜
筒井康隆家族八景
新井素子あたしの中の……
ヨゼフィーネ・ムッツェンバッヒェル「ペピの体験」
モリー・フルート「鏡の国のアリス
セレナ・ウォーフィールド「少女ヴィクトリア」
マルチーヌ・ビー「十四歳」
エマニエル・アルサン「少女ネア」
ステファン・ルイス「家出娘」
メリル・ハリス「アリスの夢」
フランク・ニューマン「芽生え」

最後のほうはポルノなので要注意。

さて、これらの作品をグーグルで調べてみると、やはりほとんどが品切・絶版状態のようだ。しかし、ないとなると逆に読みたくなるのが人情ではないか。少なくとも私の場合はそう。とくに「効き目」*2なんていう字を使われると弱いんだな。

少女らしい少女が少なくなったいまだからこそ*3、こういった文学をある種のノスタルジーをこめて愛惜するのもわるくないと思う。

*1:いい年をしやがって、といわれそうだが、少女愛は基本的に老人性のものだ。ナボコフ先生は現実の少女愛に最低でも20年の年齢差を必須のものとした。文豪川端康成の老年における少女愛好も参照のこと

*2:シリーズものなどで手に入りにくい書目のこと

*3:こんなことをいうと怒られるかもしれないが、じっさいそうなのだから仕方がない。いまの少女は私には小さい大人にしかみえない。それより年齢が下がると、今度は男も女もない「小児」にしかみえない