独作文教程ほか


ラジオのドイツ語はきのうが最終回だった。あっという間に半年がたったわけだが、どうもドイツ語の聴き取りに関しては上達したという実感がまるでない。やはり聞くためにはある程度読めるようになっていることが必要だ。自然な言語学習ではまず聞く、それから話す、次に読む、最後に書く、という手順が一般的だと思われるが、人為的な学習ではむしろこの逆がいちばん効果的なのではないだろうか。つまり作文をメインにして学習することが*1

そう思って、今年のはじめにcomcさんに教えてもらった関口存男の「独作文教程」をアマゾンに発注してみた。値段は8000円ほど。けっして安くはない。しかし、学習においてはこの価格が威力を発揮するのだ。なぜなら、この本がたとえば古本屋で安価に入手できたとしたらどうだろう。自分の場合、それだけで満足してしまって、本は読まずに長く積読になる可能性が高いように思う。

というわけで思いきって発注したのだが、しばらくするとアマゾンから仕入不可の連絡がきた。仕入不可? PODとはオン・デマンド、つまり受注生産ということではないのか? それともある程度受注がたまったら作る、ということか? よくわからないが、とにかく出荷できないらしい。

本書がこういう状況にあるためだろうか、アマゾンのマケプレでは、同じ本に12000円ほどの値段をつけて売っている。まあ、この値段でも必要な人は買うんだろうけど、私はごめんだね。値段うんぬん以前に、こういう人の弱みにつけこむような業者から買うつもりはない。

さて、それでは独作文をどうするか。関口本だけが独作文の本というわけではないので、今度本屋に行ったときにでも探してみよう。ただ、最近はドイツ語は人気がないのか、本屋でのスペースが徐々に狭くなってきて、めぼしいのがあまり置いてなかったりする。もとから少なかった中級者向けの参考書はほとんど全滅というありさま。そういえば、長らく独和辞典のスタンダードだった木村・相良のものもとうとう姿を消したようだ。英独仏のトライアングルはすでに正三角形であることをやめて久しいが、いまではおそろしく縦長の二等辺三角形になってしまっている。まあそういっても、輸入盤のCDのブックレットなどはいまでもこの三ヶ国語で書かれていることが多いのだが。……

ドイツ語も諸外国語なみに、ちゃんと学習しようと思えば海外の教科書を使うしかない時代になっているのかもしれない。

*1:もちろんまんべんなくできればそれがいちばんいいのだが