DVDの魅力

sbiaco2007-08-31



長くかかっていた単純作業にようやくけりをつける。いささか鬱懐を消した、といいたい気分。

この前、会社の近所のレンタルビデオ店で、レンタル落ちのビデオやDVDを安く売っているのを発見した。しかしDVDはともかくビデオはちょっと買う気がしない。この前の「ジキル博士と女たち」でこりているからだ。いろいろと食指のうごくものがあるにはあるのだが。

この店ではレンタル商品にもかなり魅力的なのがあって、たとえば「シベールの日曜日」なんかはぜひとも見たいと思う。これは母の友人が見てひどく感心したという映画。いまは仕事がいそがしくてなかなか借りる機会がないのが残念だ。

DVDといえば、期間限定のグッドプライスで「世にも怪奇な物語」を手に入れた。これはテレビで何度となく放送されているから、たいていのひとは知っているだろう。三話オムニバスで、最初のふたつはまあどうでもいいのだが、三つめのフェリーニのもの(「悪魔の首飾り」)がとんでもなくすごい。子供のころテレビで見てトラウマになったとか、悪魔が美少女であることを知ったとか、いろいろいわれている作品。

私がこの映画について感心するのは、ポオの作品を元ネタにしながら、フェリーニの表現がまったくポオ的ではなくて、どこまでもカフカ的であることだ。カフカの世界にはひどく惹かれるものを感じながら、その文体にどうしてもなじめない私にとって、この映画はポオの文体でカフカの世界を描いた稀有の傑作としていまでも心のなかに生きている。

この映画ではポオとカフカとが互いに互いの入れ子になっている。そういうところがたまらなく魅力的だと思う。