デイヴィッド・スレイド「ハードキャンディ」

sbiaco2007-03-10



レンタルショップのカードの更新のついでに借りてきたもの。たまには新作を、と思って借りてみた。一部では評判になっていたらしいのでちょっとは期待したが、たいしておもしろくもない。評価でいえば星二つくらい。

アマゾンのレビューを見ると、どれもうまく書いてある。とくに「逆赤ずきん」という表現にはなるほどなあ、と思った。逆というだけあって、この現代の赤ずきん、まったくかわいげがない。外見はともかく、中身は中年のヒステリー女のようだ。

この映画の見どころは、赤ずきんの罠にかかった狼が手足を椅子にくくりつけられて、キンタマを抜かれる場面だろう。しかし監督はこの部分に力をいれすぎて、かえってサスペンスの効果を弱めている。そもそもこの時点では、この男がほんとうに狼なのか、それとも狼の皮をかぶった羊なのか、見ているほうにはわからないのだ。このあいまいさのゆえに、去勢という男にとっての最大の恐怖もリアリティを欠いてしまう。脂汗をかいて必死に抵抗する男を見ていると、手に汗にぎるどころか、その誇張された演技の滑稽さに笑いがこみあげてくる。作者も意図しないところでのコミックの発現?

それにしても、この拷問の場面では、やはりポルノふうの展開がほしかった。シチュエーションとしてはまさにうってつけだからだ。なにしろ密室で男女ふたりだけ、しかもいっぽうは14歳の少女、いっぽうは椅子に手足をしばりつけられたロリコン男である。ここではやっぱり「あれ」をやってくれないと私なんかは納得しない。「あれ」をやってこその「ハードキャンディ」ではないのか。拷問には飴と鞭が必要なので、鞭ばかりでは効果が半減するのだ(少なくとも見ているほうにとっては)。

「あれ」といってもわからないひとのために、ここに見本をおいておく。エロがきらいなひとは見ないでください。