「アルス・スブティリオルからルネサンスの夜明けへ」

sbiaco2006-03-14



アルス・スブティリオルの3枚目が届く(ハルモニア・ムンディ盤)。これはどうも企画物の一環として作られたCDらしい。その企画というのは、「センチュリー」と題された20枚のCDの集録で、なかなか魅力的な題名のものが多いから、ここにぜんぶ書き出してみよう。

1.古代の音楽
2.初期キリスト教徒たちの歌
3.グレゴリオ聖歌の一千年
4.トルヴェールとトルバドゥール
5.ポリフォニーの誕生
6.「アルス・ノヴァ」の世紀
7.アルス・スブティリオルとルネサンス前派
8.ルネサンスの宗教曲
9.ルネサンスの世俗歌曲
10.器楽曲の台頭
11.イタリア・バロック革命
12.英国のバロック
13.「大いなる世紀」の音楽
14.後期バロック時代
15.古典(クラシック)様式
16.ロマン派の黄金時代
17.国民音楽の目ざめ
18.ウィーン、1900年
19.現代音楽の岐路
20.今日の音楽

こうやって書き写していると、ぜんぶ聴きたくなってくる。危険な企画だ。

さて、今回買ったCDは三つのパートにわかれていて、アルス・スブティリオルの部門には7曲が集められている。前の2枚のCDでこの流派の音楽にはだいたい見当がつくようになっているから、今回のものについてもとくに目新しい点はない。ただ、去年出たばかりの新しいCDなので、演奏技術および録音の点でめざましい向上がみられる。こうなると、もう古拙とか古雅とかいった風情はほとんど感じられない。あまりにも抵抗感がなく、ほとんど「いま」の音楽を聴くような感覚で聴けてしまう。それがいいことなのか、わるいことなのかはにわかには判じがたいが……


(3/22付記)
発売は2005年だが、録音はもっと古いらしい。
つまり、過去の録音の寄せ集めでできたシリーズだ。