「アメリ」

sbiaco2006-03-01



DVDプレイヤーを買ったので、久しぶりに映画でも見てみようと思ってレンタル屋へ行ったはいいが、見たいと思うようなのがほとんどない。思えば、ビデオデッキが壊れて以来、5年以上もこの店に足を踏み入れていない。まあ、プレイヤーを試すのが目的だから、べつにソフトは何でもいいのだが、やはり納得できる作品でないと借りる気がしない。というわけで、あれこれしつこく物色していると、「アメリ」という作品が目についた。ははあ、これが「あれ」か、と遅まきながら気がついた。

「あれ」というのはほかでもない、この日記にアメリンクと書くと、いつもきまって「アメリ」の部分だけキーワードになる。アメリって何だろう?と思いながら、ついそのままにしていたのだが、なるほど映画の題名ならキーワードになってもふしぎはない。

で、それを借りて見た。

まず映像が美しい。うちのテレビってこんなに映りがよかったっけ、と思ってしまうくらいだ。もう長いこと映画を見ていなかったので、映像美にばかり気をとられて、内容のほうはほとんどお留守になってしまった。とはいっても、この映画、映像の美しさを除いたらほかになにか残るだろうか。

はじめはジャック・フィニイふうのノスタルジックな物語かな、と思っていたが、だんだんと話が能天気な上にも能天気になってきて、しまいには恋愛に不案内なはずの男女が初対面でなぜかいきなりキスの応酬、あまっさえそのままベッドインというありえない展開になっている。

とはいうものの、映像のはしばしにあらわれるノスタルジックな要素は、やはりこの映画の作者がジャック・フィニイ気質の持主であることを語っている。この物語は、恋愛を知らずに年をとってしまった老嬢の夢にあらわれた、ノスタルジックな架空の回想だとも受け取ることができるからだ。