アメリンク関連のCD2枚

sbiaco2006-02-24



シューベルト歌曲集2」(フィリップス)
バッハ「カンタータ80番、140番、147番、モテット第3番」(EMI)

の2枚を入手。

バッハのものは、1957年に出たジェレイント・ジョーンズのものと、1967年に出たヴォルフガング・ゲネンヴァインのものとのカップリング。アメリンクはゲネンヴァイン盤にのみ参加している。

ジョーンズ盤のソプラノを歌っているのは、ジョーン・サザーランドという歌手だ。はじめはパーソネルを見ずに聴いていたので、あれ、アメリンクってこんな声だったっけ、とめんくらったが、これはこれですばらしい歌唱だと思う。その声の可憐なことにかけてはアメリンク以上だ。とにかく、147番のアリア一曲だけで完全に心を奪われてしまった。これでまた気になる歌手が一人ふえたわけだ。

アメリンクは80番と140番とを歌っているが、バスとのデュエットばかりであまり感心しなかった。もともと声量のある歌手ではないので、他の歌手との競演ということになると分がわるいような気がする。オペラをほとんど歌わなかったというのも、そのあたりのことに関係があるのではないか。

オペラといえば、「シューベルト歌曲集2」にはささやかな室内オペラのような作品が入っている。「「ファウスト」からの一場面」がそれだ。わずか6分あまりの曲だが、合唱やオルガンまで入っていて、いかにもそれらしい雰囲気が出ている。これを作曲したのが十七歳の少年だとはちょっと信じがたい。

アメリンクのシューベルト歌曲集はいったい何枚あるのかわからないくらいに数多い。私が聴いたのはそのうちのほんの一部にすぎないが、そのうちからベストを選べといわれれば、DHMから出ているイエルク・デムスとの共演盤にとどめをさす。とりわけ一曲目の「岩の上の羊飼い」などは、アメリンクの美質が最上の表現を得たものとして、まさしく空前絶後の輝きを放っている(と思う)。