2006-04-01から1日間の記事一覧

「牧神の午後」散文訳(その3)

だから、逃避の楽器よ、いたずらものの葦笛の精シランクスよ、もう一度あの湖で若々しい花を咲かせておれを待っていてくれ。自分の評判が自慢のおれは、女神たちについて長々と語ろう。そして偶像のように熱愛する彼女らを絵に描いて、その影像から帯までも…

マラルメ対ドビュッシー

ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」を聴いていると、いつもきまって大きい消しゴムでもかんでいるような気分になる。その消しゴムのようなものが体内でふくれあがるような、奇妙な感覚だ。今回の分を訳しながら、ふとそれはマラルメの詩にある(re)gonfl…